2017/07/25
中小企業庁は後継者難の中小企業を助けるため、新たなデータベースと支援組織を構築する。民間が持つ約25万社の情報を分析し、経営が堅実なのに休業や廃業に至りそうな企業を見つける。データをもとに、商工会議所と金融機関でつくる組織が後継者や売り先探しの相談に乗る。安定した中小企業が事業を続けられるようにして、地域経済の担い手を確保する。
休廃業リスクの分析には帝国データバンクの企業情報を活用する。同社と共同で約25万社の財務状況や経営者の年齢、取引先の件数などを分析し、休廃業リスクを把握する。一般に経営者が高齢で、取引先が減ってきているような企業は、事業をやめるケースがあるという。リスクは格付けし、業種や市町村単位で示す。
【日本経済新聞 7月18日】
この記事によると、中小企業の経営者は66歳が最も多く、2021年までに30万社以上の経営者が70歳になるが、6割は後継者が決まっていない。また、休廃業・解散する企業の大半は中小企業で、全体の約5割は経常黒字であるという。
休廃業に歯止めをかけるにはM&Aが最も現実的な手段だが、買い手側が重視するのは負債である。中小企業庁が作成するデータベースでも負債と債権者が明記されないと、買い手側は判断できない。データベースにどこまで詳細な情報を盛り込めるかどうか。
後継者探しが問題になるのは、経営者が高齢になるまで代表権を持ちつづけるからである。一般論として50歳を過ぎたら後継者を探し、5~10年をかけて株式譲渡を含む移行作業に入らないと、先送りのツケが廻ってくる。だが、経営者として最盛期にあるときに後継者問題は視野に入りにくい。
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