2017/07/12
主要企業が日本特有の相談役や顧問の役職制度を見直し始めた。日本経済新聞社が実施した「社長100人アンケート」では、1割弱の経営者が制度廃止や人数削減を検討していることが分かった。同制度を巡っては、経営の意思決定に直接関与するのは適切でないとして海外投資家などが懸念を示している。廃止を決める企業が出始めており、その流れが強まりそうだ。
相談役や顧問の今後について、2.8%が「制度を廃止する」、5.6%が「削減する」と答えた。日清紡ホールディングスや阪急阪神ホールディングスは今年、相談役制度の廃止を決定。J・フロントリテイリングも同様に制度を廃止した。「制度を変えない」との回答が68.4%で最も多かったが、制度を見直す動きが徐々に広がっている。
(日本経済新聞 7月4日)
この調査によると、相談役・顧問を廃止・削減する理由は「ガバナンス上、不透明な存在のため」「経営経験者の経営への関与が好ましくない」「コスト削減の要因となる」。従来通りに相談役・顧問制度を継続するには、株主から相応の大義名分が求められるだろう。
業務内容を明確にして、株主総会で成果を報告し、制度維持の必然性が承認されるかどうか。そこまで問われるケースも出てくるのはないか。
院政を敷かず、現経営陣に忖度をさせず、業務内容に不相応な処遇を得ていなければ、制度を継続してもよいだろうが、多くの企業は相談役・顧問の働きを開示したがらないはずだ。開示すれば廃止論に傾くことが分かっているからである。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。