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公務員 陰る人気 応募倍率が低下

来春卒業予定の大学・大学院生の就職活動で、地方公務員の人気に陰りが見えている。1都3県とその県庁所在地のうち、さいたま市を除く6自治体で2017年度の事務職採用試験の応募倍率が低下。選考は6~7月がヤマ場だが、先に企業の内定を得て受験しない学生が増える可能性もある。空前の「売り手市場」で企業も新卒採用が旺盛だ。自治体は志望者集めの工夫に苦心している。
 
東京都は事務職で最も採用数の多い「1類B・一般方式」(大卒程度)の応募倍率が11・6倍となり、前年度に比べて0・8ポイント低下した。大学院修了程度の「1類A」も7・6ポイント低下の16・6倍だった。都人事委員会の担当者は「景気と反比例して志願者が減っている」と話す。
(日本経済新聞 6月16日)

 
民間企業の採用が売り手市場になれば公務員人気が陰るのは、昔から繰り返されてきた現象だ。しかも、加計学園問題をめぐる“官邸VS文部科学省”の構図で、公務員も相当な理不尽を強いられ、割に合わないことがあからさまになった。

本来、政権を守るのが公務員の使命だが、守るに値する政権かどうかを問い、値しないと判断すれば、政権の足元を露骨にぐらつかせる公務員も出てくるかもしれない。いずれにしても議員の汚れ役を強いられるようでは、学生が魅力を感じる職業にはなりえない。

公務員に魅力を感じる層は、おそらく50歳をすぎた会社員だろう。安定性もさることながら、この年齢になると、公益とか地域へと関心が向きはじめるのだ。募集をかければ大挙して応募者が集まるはずだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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