2017/06/21
コロワイドやすかいらーくなど外食大手が、労働時間を短く限定した正社員制度を相次ぎ導入した。働く時間を社員の働き方に合わせて調整することで、子育てや介護をしている人でも正社員として働きやすくする。人手不足が一段と深刻化するなか、厳しい労働環境から人材確保が難しくなっている外食産業で、多様な働き方を受け入れる動きが広がってきた。
グループで居酒屋「甘太郎」や焼肉店「牛角」を展開するコロワイドは一週間の労働時間を最短20時間とする限定社員制度を6月から導入した。勤務地は通勤できる地域内の店舗に限定する。働く店だけを限定する社員を含め、来年3月末までにグループで100人の採用を計画する。
通常、同社では正社員になるのに週40時間の労働が必要だが、社員の事情に合わせて働き方の選択肢を広げる。一般の社員やアルバイトから限定社員に転換でき、中途採用でも選択可能だ。社員になれば福利厚生を得られ、社員しか就くことができない店長にもなれる。夏や冬の賞与も支給されるため、働く意欲が高まる利点もある。
(日本経済新聞 6月14日)
人員不足で新規出店を進められないどころが、営業時間の短縮まで迫られる現状は外食企業にとっては深刻な問題だが、一方で外食市場を俯瞰して、そもそも店舗数が過剰ではないのか。2000年前後にさかのぼるが、外食店チェーンの拡大によって、都内では“オーバーストア現象”が起きていると話題になった。
しかし当の外食チェーンにとって、そんな議論に与していては社業の停滞を招きかねないと拡大をつづけたが、不採算店を閉めながら新規出店を進めるスクラップ・アンド・ビルドに取り組んだ。いかにも疲れる商売に見えたものだ。
当時、あえて株式上場をめざさないという優良チェーンの経営者に理由を尋ねたら「上場したら右肩上がりの店舗増を求められて、既存店の強化が後回しになりかねない。それはチェーン全体の弱体化を招く」という見解を示してきた。
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