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年俸1700万円 残業代含む? 医師、支払い求め病院訴え

医師の高額年俸には残業代が含まれるのか―。年俸1700万円の男性医師が残業代の未払いを主張した訴訟の弁論が9日、最高裁で開かれる。「年俸に残業代が含まれる」とした1,2審判決が見直される可能性が高い。報酬の多寡に関係なく残業代を分けて支払うべきだとの判断を最高裁が示せば、専門性が高い仕事の賃金のあり方に影響を与えそうだ。
 
訴えを起こしたのは、神奈川県内の私立病院に勤めていた40代の男性外科医師。1700万円の年俸契約で、月額給与は約120万円だった。
 
この私立病院の賃金規定は△午後9時以降の必要不可欠な仕事△所定時間外の緊急手術―などに対して時間外の割り増し賃金を支給する一方、午後5時半~午後9時に残業をしても割増賃金を上乗せしない。
(日本経済新聞 6月6日)

記事によると、医師側は年俸1700万円への評価について「職種や経験に照らせば特別高額ではない」と主張しているが、現実は「職種や経験に照らせば妥当な額だが、高額ではある」。そう解釈すべきだろう。

医師には一般サラリーマンの賃金水準と比較されることを嫌がる風潮が見られるが、年俸1700万円は、東証一部上場企業の執行役員や部長クラスの年俸である。勤め人の賃金としては御の字ではないのか。

この見方については異論も多いだろうが、医師と医療機関との関係は、雇用よりも業務委託に近い。他院に非常勤で勤務し、相当額の副収入を得られる立場にあることを考えれば、まずは医療機関との関係の持ち方を見直すことが現実的である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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