Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

地方国立大が存在感 人事担当 大学イメージランキング

日本経済新聞社と就職・転職支援の日経HRは大学イメージ調査を実施した。上場企業と有力非上場企業の人事担当者に、採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた。人手不足を背景に新卒採用では学生優位の売り手市場が続いているが、その中でも企業が「採用を増やしたい」大学のトップは秋田大学だった。総じて地方の国立大学が人気で、2位に岩手大学、4位に弘前大学が並んだ。
 
企業に過去2年間に正社員として採用実績のある大学について「今後採用を増やしたいか」と聞いたところ、秋田大学の学生の採用実績のある企業のうち78%が「増やしたい」と回答した。
 
秋田大学は「PBL(課題解決型学習)」を取り入れ、学生が能動的に参加する教育を積極的に進めている。座学と実習を一体化して学ぶ「学生自主プロジェクト」に力を入れており、「学生が自ら考えて行動する力を身につけている」(同校)という。
(日本経済新聞 6月7日)

2000年を過ぎた頃から、人事担当者に大学生の評価を尋ねると「ITスキルは高いが、コミュニケーション能力が低い」という答えが返ってきた。日本経済新聞と日経HRの調査でも、採用で重視する項目にコミュニケーション能力が挙げられた。さらに主体性、熱意が重視する項目に挙げられたが、この傾向は昔から変わっていない。

コミュニケーション能力、主体性、熱意。この3つを備えている学生なら、どんな企業でも採用したいだろうが、この調査では学歴偏差値が問われることも明らかになった。「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の4項目についてイメージ調査を実施したところ、総合ランキングの上位10大学は、順に東京大学、京都大学、九州大学、一橋大学、慶応義塾大学、早稲田大学、横浜国立大学、名古屋大学、大阪府立大学、東北大学。人事担当者が学歴重視を口にすることはないが、ホンネは学歴値重視である。

米国では日本以上に学歴重視が進んでいるという。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。