2017/06/07
金融界で若手を確保する賃上げ競争が激しくなってきた。みずほ証券は2018年4月入社の新入社員や、入社2~3年目の若手の給与を大幅に引き上げる。同社はみずほグループ内の銀行との連携による顧客基盤の拡大で人手不足感が強まっている。新卒採用で売り手市場色が強まる中、待遇を改善して優秀な人材を確保しやすくする。
来春入社の初任給は今春比で総合職が6.5%増、地域間異動がない特定職が15%増。両職間の差をなくし、金額は24万5000円で統一した。大学院卒は27万円とする。初任給の引き上げは2年連続で、昨年4月入社の初任給と比較するとそれぞれ約20%、29%と大幅なアップとなる。入社2~3年目の若手社員の給与も4~8%上げる。
(日本経済新聞 5月30日)
売り手市場が定着するなかで、若手の確保・登用を目的に厚遇を用意することは有効な手段である。20代で大手企業からベンチャー企業に転職した人たちを取材すると、ほとんどが「大手では30歳ぐらいまでは大した仕事を任せてもらえずにブレイクできそうにない。ベンチャーなら思い切って突っ走れそうなので転職しました」。そんな趣旨で転職理由を説明してくる。
大手企業もベンチャー企業のような仕事のさせ方をすればよいと思うが、それでは組織が成り立たない。実力主義人事にシフトしても、一定程度の年功制が残るのはやむをえない。
一方、大手企業では50歳以上の社員の活力をどう引き出すかも問われている。下り坂をおりさせてはいけない。定年70歳時代が目前に迫っている。50歳からの20年を活躍できる就労体系を整備すれば、業績にも反映するはずだ。
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