2017/05/22
柔軟な働き方が広がるなか、転職や留学などの理由でいったん辞めた会社に舞い戻る「出戻り社員」が増えている。慣れ親しんだ職場で働けるメリットは多いが、「勝手知ったる会社」などと安易な考えで戻ると、思わぬ落とし穴もある。
サイボウズで働く長山悦子さん(31)は、4年前、新卒入社で3年半働いたサイボウズを退職した。理由は、学生時代から関心のあった国際協力の仕事を一度経験したかったから。青年海外協力隊の試験に合格し、会社に退職届を出した。辞める時は同僚から花束やプレゼントをもらったという。
(中略)
実は長山さんは、サイボウズが2012年に導入した「育自分休暇制度」を利用して再入社した第1号。同制度は、転職や留学など自分を成長させることを目的に退職した35歳以下の元社員を対象に、6年以内から復職を認めるというもの。
(日本経済新聞 5月15日)
出戻り社員は戦力として計算できるだけでなく、他流試合の経験でスキルが革新されていれば、想定以上のリターンを期待できる。たとえばベンチャー企業の場合、若さゆえの暴走が、往々にして“会社の常識は社会の非常識”という状況を引き起こしかねない。
理念の浸透や組織文化の形成に“その会社らしさ”を社員に求めることは、求心力を高めるうえでは有効な手段だが、さじ加減が問題である。社員同士が互いを「らしい」「らしくない」などと口にしはじめると、やや危うい。こうした発言は、思考が内向きになる兆候だ。
出戻り社員には、社外の常識と照合して、唯我独尊体質に傾かないようにチェックしてもらうことも期待できる。
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