2017/05/16
今年4月1日、3メガバンクの一角を占めるみずほ銀行に、同行史上最年少となる34歳の支店長が誕生した。
赴任先は玉川学園前支店(東京都町田市)。2011年設立の個人取引に特化した支店だ。
実は昨年にも、法人と個人両方の取引業務を受け持つ北海道の釧路支店に、03年入行の35歳の最年少支店長が誕生したばかり。他のメガバンクは異口同音に、「法人営業を行う支店の支店長を担えるのは、早くても40代半ばから」と、驚きを見せた。
しかも、玉川学園前支店長は08年に中途入社した人物。転職組の存在感が薄い銀行業界において、異例ともいえる抜てき人事だ。
2年続けての最年少支店長誕生は、どちらも若手の早期育成と積極登用を意図した行内の支店長公募制度によるもの。相次ぐ若手起用の背景には、みずほ銀行上層部の“大望”がある。
というのも昨年5月、みずほ銀行の持ち株会社、みずほフィナンシャルグループ(FG)による新中期経営計画の発表時に、佐藤康博・みずほFG社長は、「銀行の慣行である年功序列制度を徹底的に崩す」と明言。人事運営改革の意志を示した。狙いは、人事制度をより実力主義に転換し、組織の活性化を図ろうというものだ。
(ダイヤモンドオンライン 5月8日)
若手の昇進がつかえてしまうという理由で、メガバンクは40代後半から50歳で取引先などに出向・転籍し、第一線から外されてしまう。経験者によると、給与も大幅に下がるが、それ以上に、意欲の減退が大きいという。
30年近い銀行勤務で企業経営の栄枯盛衰を数多く見聞し、目利き能力もじゅうぶんに養われた時期に第一線から外れてしまうのは、いかにもモッタイナイ。ある中小メーカー経営者には「息子のような年齢の銀行員では、まだ社会の辛酸を舐めていないので、腹を割って相談できるはずがない」と打ち明けた。
メガバンクは学生の就職先として昔から人気業種だが、バンカーを夢見る学生たちは“50歳定年”をどれだけ理解しているのだろうか。
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