Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

外国人技能実習受け入れ 優良団体は5年に延長

厚生労働省は2017年度から、外国人技能実習生の受け入れ期間を優良な団体に限り従来の3年から5年に延ばす。技能実習生は違法な長時間労働や低賃金での労働などが社会問題となっている。優良な団体を優遇することで労働環境の改善を促す。

技能検定の合格率が高いことや最低賃金以上の給与の支払い、相談を受ける体制の整備など6項目合計で120点満点で国が評価する。このうち検定の合格率など技能習得の実績が最大の70点を占める。6割以上の得点で優良団体と認められ、受け入れ期間の延長が可能になる。
(日本経済新聞 3月27日)

EPA(経済連携協定)による看護・介護人材の受け入れも、外国人技能実習制度も、政府は日本で習得したスキルを母国の発展に生かすことを趣旨に述べ、人手不足対策は挙げていない。この2つの制度を利用して、外国人人材を雇用する事業者の大半は人手不足対策が目的だが、相手国との関係などから受け入れの真の目的を公けにするわけにはいかないだろう。

昨年、看護師や介護士の取得資格をめざす外国人人材を数名取材したが、当面の目的は日本で稼ぐことだが、いずれ母国に帰って医療の発展に貢献したいと話す人もいた。広報担当者から政府の公式見解に沿った発言をするように指導されているのかもしれないが、福祉分野の人材は社会貢献意識が高いので、あながちタテマエとは言い切れない。

外国人技能実習生の受け入れ期間が5年に延長される措置は、志の高い実習生にとっては、スキルを磨く時間が増えて朗報だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。