2017/03/31
日本電産の永守重信会長兼社長=写真=は23日、4月から在宅勤務制度と時差出勤制度を導入すると明らかにした。同社は「モーレツ主義」を大転換し働き方改革を進めている。柔軟な働き方へのシフトを本格化させて2020年の「残業ゼロ」達成を目指す。
在宅勤務は本社の営業や開発などの千数百人が対象。社員の等級によって月5~8日の上限を設け、育児などの理由で在宅勤務を認める。上司に仕事内容を事前申請し終終業時に成果を報告することで業務を管理する。
永守社長は「これまで残業の3分の1を減らしたが、さらに3分の1を減らすため制度改革に着手する」と述べた。
(日本経済新聞 3月24日)
このぐらい強力なリーダーシップを振るえば残業削減が進むが、そのためには経営者が“残業意識”を抜本的に改めないと――。社員の心身が病み、それが多人数におよべば組織力が低下する。
数年前から注目されはじめた健康経営の推進だけでは、社員の健康を守るには十分でない。労働時間の削減が必須だが、“残業削減”という言葉もスローガンとしては弱い。“削減”ではゴールが明確でなく、努力目標にとどまってしまう。ノー残業デーの創設も、他の日にしわ寄せがおよぶようでは意味がない。
やはり“ゼロ”という明示が有効だが、これを実践するには強力なリーダーシップが必要だろう。
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