2017/03/30
政府は22日、働き方改革の焦点となっている罰則付きの残業規制について、厳しい労働環境になりがちな病院勤務の医師への適用を法律の施行から5年後に遅らせる検討に入った。医師は患者の数や診療時間などの業務量を自分で調整しにくいため、建設業や自動車の運転業務と同様に適用までの猶予期間を設け、その間に労働時間の短縮など勤務環境の改善を急ぐ。
政府は関係団体などと最終調整しており、来週取りまとめる実行計画に盛り込むことを目指す。
(共同通信 3月23日)
医師のなかでも、とくに病院勤務医は肉体労働である。医師不足をめぐる議論は、医師は地域や診療科による偏在が問題と主張する立場と、絶対数の不足を主張する立場に分かれているが、現場の医師にとって、過酷な就労環境は統計の問題ではない。
2006年のデータだが、国立保健医療科学院の調査によると、男性勤務医の労働時間は20代後半で週85時間、50代でも週65時間。過労死認定基準の週60時間を超えている。ブラック企業以上に過酷な就労環境に置かれているが、時間で区切れる仕事ではない。労働基準法の適用が難しいのだ。
この問題は看護師にも当てはまる。労基法に医療職に特化した条項を盛り込まないと、労働時間削減の流れから医療職が取り残されてしまいかねない。
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