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パロマ 腕章の色で残業時間を見える化

働き方を見直す動きが、東海地方の企業でも高まってきた。残業時間を減らしたり、仕事内容を改善したり。より生産性の高い仕事につなげる取り組みだ。
 
ガス器具メーカーのパロマ(名古屋市)は、就業時間を過ぎると、居残っている工場や管理部門の社員が腕章を着ける。白は1時間、黄は2時間、赤は3時間。前もって申請した残業時間を腕章の色で示す。残業している社員が一目で分かるように、2013年夏に始めた。14年の総残業時間は前年の4割減だった。
 
のどあめで知られる春日井製菓(名古屋市)は、仕事の改善例を発表する大会を年1回開く。仕事の見直しで、コストがどの程度浮くのかを計算。優勝すれば、削減費用の一部が還元される。懇親会や備品購入に使える「ご褒美」だ。
(朝日新聞デジタル 3月22日)

残業手当の支給で人件費を増やしたくないのなら、労働時間の削減策を講ずればよいのだが、自己犠牲を当然とするサービス残業へと暴走しつづけてきた。
 
残業は人件費増加、光熱費増加、生産性低下、健康被害、生活縮減などマイナス要素の複合体である。さらに“忙しさ自慢”という病理現象の素にすらなっている。だが、身体にしみついた残業体質の除去は容易でなく、政府主導の働き方改革がどこまで成果を上げるのか。
 
いまも多くの企業で、定時に退社することには、後ろめたさがぬぐい切れない。総合職ならなおさらである。パロマの取り組みは傍目には見せしめのようだが、このぐらい目につく施策を打たないと残業削減に至らないのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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