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NTT、契約社員に正社員と同額手当 食事補助を衣替え

NTTグループ(社員数約24万1千人)は、NTT東日本、西日本、ドコモなどグループ主要各社の正社員に支給している食事補助を廃止し、代わりにフルタイムで働く契約社員(約4万人)を対象に加えた手当を新設することを決めた。すでに労使で合意し、4月から支給を始める。

社員食堂などで使える月額3500円相当の電子マネーや食券を、食事補助として正社員に支給してきたが、これを廃止。仕事と生活の両面から支援する「サポート手当」に衣替えしてフルタイムの契約社員を対象に加え、正社員・契約社員に同額の月額3500円を支給するよう改める。

昨年12月に会社側からNTT労働組合に提案があり、労使で協議していた。組合側はパート社員も含めたすべての契約社員(約5万人)に月額3500円を支給するよう求めていたが、会社側は「まずはフルタイムの待遇改善を優先させる」として、パートは支給対象外とした。組合側は、今後もパートへの支給を求めていく方針だ。
(朝日新聞デジタル 3月15日)

同一労働同一賃金の流れが急ピッチで進みそうだ。給与に差がつくのはやむをえないとしても、同じ職場で働いているのだから食事手当ぐらい同等に支給すればよいと思うが、何かにつけて正社員と契約社員の処遇に差を設けるのが従来の人事制度だった。

中小企業では、たとえば社員旅行にも契約社員やパートタイマーを連れていく例が多い。

給与以外では差を設けずに職場の融和を図っているのだが、それ以前に、差を設けないことはごく自然な組織運営の原則だ。しかし、組織規模が一定以上になると、人事を制度化させ階層に応じて差を設けないと組織が機能しない。実際はともかく、そう思い込まれていた。

同一労働同一賃金の流れでこの慣行が変われば、人事制度はもっと大まかになり、給与体系もシンプルになってゆくが、非正規社員の給与アップによって総人件費をどう抑制するか。その仕組みづくりが焦点になるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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