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ヤマト運輸が荷受けの抑制を検討 労組が春闘で要求

宅配便最大手のヤマト運輸が、荷受量を抑制する検討に入ったことが23日、わかった。労働組合が今年の春闘の労使交渉で会社側に要求した。インターネット通販の拡大などを背景に宅配個数が増える半面、トラックドライバーなどの人手不足で慢性化している長時間労働の軽減を図る。

人手不足は業界共通の課題で、最大手の動きに他社が追随する可能性がある。労組はまた、終業から次の始業まで最低10時間空ける「勤務間インターバル」の導入も要求。働き方改革を求める一方、賃上げ要求は定期昇給とベースアップの合計で平均1万1千円と前年水準(前年妥結額は5024円)に据え置いた。

ヤマト運輸の平成28年3月期の宅配便取り扱い個数は、過去最多の17億3千万個。今期はこれを超える見通しで、労組は、次期の宅配個数を今期以下の水準に抑えるよう求めている。
(産経新聞 2月23日)

このニュースについて、ヤマト運輸のドライバーに尋ねたところ「記事を見て会社の方針をはじめて知りました。もっともな内容だと思いますよ」と答えてきた。

「2~3年前からネット通販の荷物が急に増えてきましたが、ドライバーは人手不足のままで多忙になりました。そこへ国の方針があって労働時間の削減が会社から指示され、夜は9時前に仕事を終えるようになって、朝の配達時間も遅くなったのです。宅配個数を抑えないと、現場はやっていけません」

街の中で見かける宅配便のドライバーは、トラックと配達先の間を小走りで移動しているが、このドライバーによると「早足歩きでは配達量を消化できないんです。だから走らないと……」。宅配個数の抑制と同時に配送料の値上げも必至だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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