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はるやま、ノー残業手当1万5000円

長時間労働を是正しようと、はるやまホールディングス(HD、岡山市北区表町)は、定時に退社する社員に「ノー残業手当」を支給する新制度を4月から導入する。社員の健康に配慮するとともに、業務の効率化を促すのが狙い。

スーツ販売の子会社・はるやま商事(同)と合わせた計約1200人(課長級以上を除く)が対象。残業時間ゼロの社員に月額1万5千円を支給する。残業した社員についても、残業代が1万5千円に満たない場合は、手当と同額になるよう差額分を支給する。

手当の総額は年間1億8千万円を見込む。両社の社員1人当たりの平均残業時間は月10時間半で、制度導入により残業代を年間8千万円圧縮できるとみている。
(山陽新聞デジタル 1月12日)

 
長時間労働問題の大きな焦点は、労働時間に上限を設けるかどうかである。研究業務や企画業務などについて「長時間労働が一概に害悪とはいえない」と労働時間に上限を設けることに、異論を唱える経営者もいる。

意図は理解できるが、業務によっては労働時間に上限を設けなくてよいとなれば、もっともらしい理由をつけて、雪崩を打つように労働時間の自由化に走る企業が増えるのではないか。そうなれば元の木阿弥である。長時間労働そのものを害悪と見なさない限り、長時間労働文化が改まるはずはない。

それにしても、はるやまホールディングスの社員は大判振る舞いを受けられて慶賀の至りだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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