2017/01/13
コンビニエンスストア大手「ファミリーマート」(本部・東京)の加盟店で働いていた男性従業員(当時62)が死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、遺族が同社と店主に損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で和解した。連帯して解決金計4300万円を支払う内容で、フランチャイズ本部が雇用関係が直接ない加盟店の従業員の労災に関し、解決金の支払いに応じるのは極めて異例。
22日付の和解条項では、ファミマが、著しい長時間労働の中で死亡したことに遺憾の意を表明する▽労働法規の遵守(じゅんしゅ)を加盟店に指導して欲しいとの遺族の要望を受け、加盟店や従業員と適切な関係を築き、信頼される企業となるよう不断の努力をする――ことが盛り込まれた。
訴状によると、男性は2011年から大阪府大東市の加盟店で勤務。12年からは店主に指示され、店主が経営する同府門真市の別の店でも働くようになった。掛け持ち勤務をしていた同年12月21日夜、男性は大東市の店で脚立から転落して頭の骨を折り、急性硬膜下血腫で翌月に亡くなった。
(朝日新聞デジタル 12月31日)
ファミリーマートの本部と加盟店が解決金の支払いに応じたことは、フランチャイズ(FC)ビジネスのあり方に一石を投じた。本来、本部と加盟店は共存共栄であるべきだが、現実は主従関係にある。主従関係にある限り、本部は加盟店の労務管理にも責任をもたなければならなくなる。
本部のスーパーバイザー(SV)の任務は加盟店の収益を向上させ、本部へのロイヤルティを拡大させることだが、新たに労務管理が加わったのである。労務管理に問題があれば、それはFCパッケージの欠陥と見なされる。
業務マニュアルの見直しは必須だ。しかも加盟店の人手不足は簡単に解消しないだろうから、本部から応援用にスタッフを派遣するケースも増えるのではないか。
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