2016/12/28
国が定める最低賃金を下回る給与で働く中小企業労働者の比率が、2016年度に東京都と大阪府で5%を超えたことが全国47労働局の調査で分かった。12~15年度の全国平均1.9~2.1%を大幅に上回り、前年度比で東京は3.8倍、大阪は1.4倍に急増。北海道や東北、東海でも3%以上の地域があった。最低賃金は14年連続で伸びているが、賃上げが追いつかず、ルールを無視した低賃金労働がまん延している実態が浮かんだ。
毎日新聞が全国の労働局と厚生労働省に情報公開請求し、12~16年度の全都道府県のデータを得た。
厚労省は毎年6~7月、労働局を通してパートを含む従業員が30人未満(製造業などは100人未満。建設業や運輸業は対象外)の約10万事業所に従業員の給与を尋ね、最低賃金未満で働く人の比率(未満率)を割り出している。秋の最低賃金改定の参考にするためで、地方最低賃金審議会に示している。
(毎日新聞 12月19日)
最低賃金を下回る給与で雇用する企業に、行政はどんな手段で改善を求めるのだろうか。
行政指導をしても「無い袖は振れない」と居直られるだけだろうが、求職者側に最低賃金を周知徹底させれば、違反企業では採用が頓挫して、改めざるをなくなる。
ただ、中小企業で働くパートには経営者の縁故で“手伝う”というスタンスで就労している例も多い。この場合、最低賃金を下回る給与を受け取っているパートも、ちょっとした手間賃をもらうような感覚で務めているため、経営者の懐具合を察して違法性に疑問をもつとは限らない。
こうしたケースも含めて一律に最低賃金の規制をかけることは現実的でないともいえるが、例外を認めると、それに乗じて乱用する企業が現われる。杓子定規な規制も必要である。
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