2016/12/07
三菱自動車は29日、取締役に支給できる報酬総額の上限枠を3倍の30億円とする方針を明らかにした。12月14日開催の臨時株主総会で正式決定する。三菱自は上限枠の拡大を「社外や海外も含めた優秀な人材の中から取締役を任命できるようにするため」としているが、筆頭株主になった日産自動車のカルロス・ゴーン社長が同日付で三菱自会長に就任予定で、高給取りで知られるゴーン氏の報酬対策という側面もありそうだ。
29日に自社ホームページに掲載した株主総会招集通知に盛り込んだ。現在は総額年9億6000万円以内としている取締役報酬額を、業績に連動させる仕組みを新設するなどして年20億円以内に倍増。これとは別に年10億円以内の株価連動報酬などを設定する。
1990年代後半、経営危機に陥った日産に着任しリストラなどでV字回復させたゴーン氏は、世界的な敏腕経営者として知られる一方、桁違いな報酬額でもしばしば話題になってきた。2015年度に日産から支払われた報酬額は10億7100万円。世界首位のトヨタ自動車社長より多く、民間の信用調査会社、東京商工リサーチによると15年度の国内企業の取締役報酬としては5位だった。
(毎日新聞 11月30日)
燃費不正による販売不振で最終赤字に転落する見通しの三菱自動車は、本当に取締役報酬を増額したら、メインバンクや株主はどんな反応を見せるだろうか。
社員も下請け企業も容認しないだろう。
「〇〇第一主義」になぞらえれば、いまの三菱自動車が取締役報酬を増額したら“取締役第一主義”を表明したようなものだ。
会長に就任したカルロス・ゴーン氏の心中を忖度した措置なのかどうか。まさか“ゴーン第一主義“ではないだろうが、そう勘ぐられても仕方がない。
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