2016/12/05
「元日の午前中を除き、365日働く」という日本電産のモーレツ創業者、永守重信会長兼社長が、働き方改革に乗り出した。「モーレツの看板はもうあらへん。2020年には残業ゼロにする」。業績好調な精密小型モーター大手が、大転換を宣言した背景には「売上高10兆円」目標がある。現在の10倍の規模だ。目標達成のためには働き方を変える必要があると永守氏は読んでいる。
永守流の改革はシンプルだ。残業をする社員は、朝礼で上司に理由と時間を申告し、許可を得なければならない。また、会議時間はこれまで2時間かかっていたようなものは原則1時間に、60分なら45分に短縮することをルール化した。
こうした取り組みで、社内の連絡や決裁などの手続きに要する時間も短くなったという。本社管理部門の場合、10月の平均残業時間は前年同月の30時間から半減。全社では約3割削減することができた。
永守氏は言う。「僕らの時代、会社が小さいうちは朝まで働くのも当たり前やった。能力がなければ時間をかけて働くしかないが、海外企業は残業しなくても業績を上げている」。
(産経新聞 11月28日)
長時間労働を解消するには、影響力のある経営者が大ナタを振るうことが効果的だ。多くの企業では、トップが労働時間削減を宣言しても、中間管理職が面従腹背に走って、サービス残業によって表向き労働時間を削減した体裁をとってしまう。
業務量の削減が難しいのではなく、身体に染み付いた働き方の改善ができないのである。
削減を意識してもモーレツ体質が染み付いていたら、身体が反応しない。その意味で、労働時間の削減は身体に染み付いた体質を改善するようなもので、会社が方針を周知徹底させても、個人差が開いてしまうことは否めない。
だから、永守氏のような影響力のある経営者が、さまざまな場で発言を繰り返し、経済界に刷り込んでももらうのがよい。
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