2016/10/06
東京都豊島区は区内の企業などと連携し、働き方改革に取り組む。29日に約60社・団体とともに、仕事と育児、介護などの両立を目指す部下を支援する「イクボス宣言」をする。ライフスタイルの変化に対応しながら働き続けられる環境を整え、地域の魅力向上につなげる。
職員が約3カ月をかけて区内の企業を回り、イクボス宣言への参加を要請した。29日には西武ホールディングスやビッグカメラ、東武百貨店、佐久間製菓などが出席し、一斉に宣言をする。
在宅勤務などの制度が整っている企業でも「トップの意識や社内の風土が変わらなければ制度は使えない」(区の担当者)との考えから、宣言が意識改革のきっかけになることを期待している。
(日本経済新聞 9月28日)
この記事で豊島区担当者が述べた「風土が変わらなければ制度は使えない」は、まさにそのとおりだ。経営者が宣言しても、風土が変わらなければ、人事制度は趣旨どおりに機能せずに形骸化する。この担当者は現場をこまめに訪問して、実態を把握しているのだろう。
豊島区は昨年、無借金で新庁舎を完成させた。天井が低く、照明が薄暗かった旧庁舎に比べて別世界である。これだけ職場環境が変われば、職員の意欲が格段に高まらないはずはない。区内企業の職場改善への取り組みにも俄然、熱が入るに違いない。
豊島区は埼玉県秩父市と協定を結んで、区内在住の元気高齢者の移住構想を打ち上げるなど新たなテーマに意欲的だ。当面の目玉は旧庁舎跡地に建設する複合型ビルで、アニメ専門シアターが入居するそうだ。池袋駅近くのアニメ専門店「アニメイト」やアニメ専門店が居並ぶ通称「乙女ロード」など、池袋は秋葉原と並ぶアニメのメッカになりつつある。
イクボスの実践で区内企業が変われば、区内の風土全体にも変化が現われてくるだろう。
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