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独法理事長の年収トップ、5兆円の損出したGPIFの3,130万円

報酬トップは、5兆円の損失を出した、独立行政法人だった。
総務省が発表した2015年度の独立行政法人役職員の給与水準によると、理事長らトップの年間報酬が最も多かったのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の3,130万円だった。
GPIFは、株価下落などの影響で、2015年度は、5兆3,098億円の赤字を出している。
総務省は「高度で専門的な人材が確保できるよう、給与水準の弾力化を検討することとされており、妥当な水準」と指摘したが、GPIFは、2016年度も4月から6月期だけで、5兆2,342億円の赤字を出した。
(フジテレビ系・FNN 9月24日)

これだけの損失を出せば民間企業なら降格だけですまず、株主代表訴訟にもさらされるが、独立行政法人の理事長職ゆえに「妥当な水準」と結論づけるしかないのだろう。本人が減俸によって責任を示そうと申し出ても、事務方から「規定がありません」と一蹴されるのがオチだ。
しかし、かりに5兆円の運用益を上げたところで、理事長報酬が年間数億円に増えることはないのだから、5兆円の損失に対して3,2130万円を「高い」と疑問視するにはおよばない。

資金運用を業とする専門人材のモチベーションは、おおかた金である。金がエネルギーをかきたてるのだから、理事報酬の規定を変えて成功報酬制にすればよい。少しは運用に有益になるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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