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高齢者、女性が補助者でなく主戦力へ

国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口をみると、50年までは毎年約50万~100万人のペースで生産年齢人口(15~64歳)が減っていく。求人サービスのインテリジェンスは、25年の日本の労働市場で約600万人の人手不足が起きるとみる。高齢者を補助的に使うぐらいでは、働き手消失の危機を跳ね返せない。

(中略)

いったん会社や仕事を離れると、復帰のハードルは高くなる。力のある人にはどんどん働いてもらえばいいだけの話だ。性差や年齢差へのこだわりは捨てよう。そんな余裕、今の日本にはない。
(日本経済新聞 9月3日)

高齢者、女性に加えて外国人も主戦力として活用しないと人手不足は補えない。人手不足が慢性化した看護師・介護士ではEPA(経済連携協定)によるインドネシア、フィリピン、ベトナムの人材確保が注目されている。護師候補者と介護福祉士候補者の受け入れが始まった。2015年度までの受け入れ総数は看護師候補者が994名、介護福祉士候補者が2069名。両職種で3000名超が来日した。

国家試験合格率を見ると、看護師は09年度に1・2%、10年度に4・0%と低調だったが、11年度に11・3%を記録して以降は10%前後で推移してきた。一方、3年以上の実務経験が受験要件である介護福祉士国家試験で、初めて合格者が誕生したのは11年度で合格率は37・9%。以降、39・8%、36・3%、44・8%と上昇傾向で推移し、15年度には過去最高の50・9%を記録した。

EPAによる外国人人材の受け入れは、日本で高度なスキルを修得した人材が母国に戻って医療介護の発展に貢献することが趣旨で、人手不足対策ではないが、一定の突破口になるのではないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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