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国が大企業500社に「ホワイト企業」のお墨付き

経済産業省は22日、検診の費用助成など従業員の健康増進に努める企業の認定制度を新たに設けると発表した。2020年までに500社の大企業を選ぶ。「ホワイト500」と銘打ち、「ブラック企業」と対照的な「ホワイト企業」として国のお墨付きを与える。従業員の活力が高まれば業績拡大が見込めるとし、企業に健康管理の取り組みを促す狙いだ。

経産省は上場かどうかにかかわらず幅広い大企業に回答を求める。メンタルヘルス検査の有無や職場の分煙状況、産業医の人数などをもとに選考し、17年初めをめどに第1弾の認定企業を公表する。26日から企業に調査票を送り回答を集約する。
(日本経済新聞 8月23日)

企業がブッラク化するプロセスには主に2パターンがある。ひとつは、成果主義や長時間労働賛美主義によって、社員を使い潰してまで利益を挙げるというパターン。もうひとつは成長のスピードに労務管理が追いつかず、“根性主義”に埋没してしまうパターンである。

前者は確信犯で、ひとえに経営者の処世観に問題があると断じざるをえない。このタイプの企業は仕入れ事業者に対しても、無理なコストダウンや納期を強いて、生殺与奪を握っているかのような取引姿勢を示すことが多い。経営者は社員や仕入れ事業者に対して、支配・従属関係を形成したがるものだ。

一方の後者は、短期間で株式上場を果たし、さらに東証一部上場へと突き進むようなベンチャー企業に多い。営業主導型で成長してきたがために、管理部門の発言力が弱く、労務管理の改善提案は(成長スピードを鈍らせる)という理由で受け入れてもらえない。悪意がないだけに、世間から叩かれてもピンと来ないのだ。

第三者の関与が不可欠である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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