2016/08/17
人事院は8日、2016年度の国家公務員の月給を0.17%(708円)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.1カ月引き上げるよう、国会と内閣に勧告した。
月給、ボーナスとも引き上げを求めるのは3年連続。勧告通りに実施され、双方が3年連続で増額されれば、1991年以来25年ぶりとなる。年間給与は平均で5万1000円増える見通し。
併せて少子化対策の一環として、民間の家族手当に相当する「扶養手当」の見直しを、17年度から段階的に実施。配偶者分を半額に減らし、浮いた財源を使って子ども分を増額することも求めた。
(中略)ボーナスも民間が0.12カ月上回った。引き上げ分は、職員の能力や実績に応じて支給する勤勉手当に積み増す方針だ。
扶養手当のうち、配偶者分は現行の月額1万3000円を半減。現行で1人当たり月額6500円の子ども分は、同1万円に増やす。配偶者分に関しては、一部の管理職を対象とした支給制限を新たに設け、最終的に本府省の課長級でゼロとする。
(時事通信 8月8日)
配偶者分の扶養手当が半減されたことは、専業主婦を就労へと導くメッセージである。民間企業の雇用が70歳以上にまで延長され、専業主婦が続々と就労するようになれば、やがて“一億総就労社会”が到来するだろう。この推移を勤労精神の鼓舞によって社会に張り合いが出ると見るか、疲労が蓄積されて蝕まれてゆくと見るか。
日本人の受け止め方は、前者が多いだろう。遊ぶために働くのではなく、働くから遊びも楽しくなるのだと。ヨーロッパなどでは違和感を持たれる就労観だが、日本人には生涯現役社会がふさわしく、健康寿命の延伸を契機に寿命そのものも伸びるのではないか。
社会保障費の抑制策に四苦八苦する政府にとって、日本人に宿る勤労精神は、年金給付の削減策を支える好材料である。
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