2016/08/09
2016年度の経済財政白書は、深刻な人手不足を受け、労働市場の流動性を高めるように提言した。外国企業の投資を呼びこむうえでも、人材確保の難しさを解消すべきだとの指摘が出ている。労働力不足が成長の制約となりかねないとの危機感が背景にある。
人手不足の高まりは、12年末以降の景気の緩やかな回復基調や団塊世代の定年退職が要因だと分析。建設業や介護など労働集約的な業種で人手不足感が強く、働き手が集まらないミスマッチが解消していない。あらゆるものがインターネットにつながるIoTや人工知能を活用する新分野でも人材不足が顕著だ。
成長分野への労働移動を促す重要性を指摘するものの、解雇の金銭解決などの抜本策には踏み込まなかった。
(日本経済新聞 8月2日)
成長分野への労働力移動は以前から提唱されつづけているが、人口減少がつづく限り、IT化による業務改革と外国人労働者の活用にシフトせざるをえないだろう。
国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の人口は2004年12月がピークで1億2784万人。2030年に1億1522万人、2050年には1億人を割って9515万人に減少し、今世紀末の2100年には4771万人にまで減少してしまうという。
人口減少と反比例して上昇するのが高齢化率である。2004年12月に19・6%だったが、2030年に31・8%、2050年に39・6%、2100には40・6%に上昇する。国民の2人に1人が高齢者になるのだ。将来を展望すればするほど、労働力移動では解消できず、労働者の絶対数を増加しなければ対処できないことは明らかである。
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