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「将来社長になりたい」過去最低の10・8%

「将来社長になりたい」は、過去最低を更新した。
日本生産性本部などが、2016年の新入社員およそ1,300人を調査したところ、「働き方は、人並みで十分」と回答した人が58.3%と、過去最高を更新したのに対し、「人並み以上に働きたい」と答えた人は34.2%だった。
また、「将来どのポストまで昇進したいか」との質問で、「社長」と答えた人は10.8%と、10年前(17.8%)より大きく減少し、過去最低を更新した。
日本生産性本部は、「企業の謝罪会見などのイメージが強く、『重い責任を負いたくない』と考える新入社員が多いのではないか」と分析している。
(FNN 7月7日)

 いまや社長になりたい人は起業する時代である。立身出世をめざしたところで、所属する事業部門の盛衰で昇進昇格は左右されるうえに、社長就任年齢を50代と仮定すれば、それまでの30年間に会社が存続する保証もない。社長になりたければ起業をして、一端の社長をめざせばよいのだ。
まして昨今の企業統治から、社外取締役や指名委員会、あるいは外資系投資ファンドから経営への注文をつけられる風潮が、社長職を割に合わないポストと印象づけているのだろう。この風潮は現役の経営幹部にとっても同様ではないのか。
上場企業には、年間1億円以上の報酬を得る社長が増えているが、新入社員にとっては(それがどうした?)という話題にすぎないのかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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