2016/06/28
ソフトバンクは退任の理由について、孫社長は当面トップとして指揮を執り続ける意向だったのに対し、アローラ副社長は「数年のうち」にトップに就く意向を示したことから「両者の時間軸のずれを踏まえ、退任することになった」と説明している。
アローラ氏は7月1日付で、同社の顧問に就任する。
孫社長はアローラ氏の顧問就任のリリースで「(当初は)60歳の誕生日に経営を引き継いでもらおうと考えていた」と胸の内を明かす一方で、ソフトバンク2.0やスプリント<S.N>の再建などに取り組むには「少なくともあと5年から10年は(自身が)社長として率いていく必要がある」とも指摘。
「この間ずっとニケシュを、トップになるまで待たせてはいけないと考え、ニケシュと話し合い、顧問の立場で引き続き貢献してもらうことになった」と述べ、あくまで円満退任であることを強調した。
(ロイター 6月21日)
孫正義社長に続投の意欲が芽生え、しかも続投の時期が5~10年に及びそうだというのがアローラ氏退任の理由という説明だが、これは表向きの理由だろう。
急転直下の人事で事実が明かされることはないし、孫氏ほどの人物がトップ人事をめぐって、自身の心変わりを理由に急転直下の判断を下すはずがない。
退任の真相についてはセブン&アイ・ホールディングスの内紛と同様におもしろおかしく報道されるだろうが、いちばんは、孫氏が余人をもって代え難いほど巨大な存在になったことだ。
このレベルになると、人材は育てるのではなく、見つける以外にない。
アローラ氏を招聘したのも、社内では育てようがなかったからだろう。
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