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大手の夏賞与は92.7万円、リーマン前に迫る―経団連集計

経団連は7日、大手企業の今年夏のボーナスの妥結額状況(第1回集計)を発表した。回答した95社の組合員平均は前年夏比3.74%増の92万7415円で、4年連続の増加となった。自動車を中心に業績が改善、ボーナスを業績に連動させる企業が増えたため。

1回目の集計としては過去3番目の高水準で、リーマン・ショック前の2008年の金額(93万329円)に迫った。

業種別に見ると、最高額の自動車は3.45%増の106万5091円と、3年連続で100万円を超えた。非製造業は15.77%増と大きく伸びた。電力会社でのボーナス増額が影響したとみられる。一方、回答のあった14業種中、鉄鋼や非鉄・金属、造船など6業種がマイナスだった。国際商品市況低迷などが響き、業績が悪化した。
(時事通信 6月7日)

アベノミクスの成否は7月の参院選の争点のひとつになるだろうが、この記事にある経団連加盟95社の社員は、アベノミクスの果実を得たようだ。現時点では“勝ち組サラリーマン”といったところか。この層は消費も旺盛で、銀座の和食ダイニングの営業マネージャーは「大手企業と外資系企業の団体予約で売り上げは伸びています」と話す。
この店の客単価は7000円前後だが、同業の飲食店を見渡しても、高級店の集客は好調だという。

もちろん上記の95社に勤める社員にとって、勤務先がいつかは傾くかもしれないというリスクはあるが、高額な数字が記載された給与明細書を見れば、なにより心が弾むものだ。先々に楽観も悲観もせず、浪費さえ慎めばよいだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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