2016/05/27
社長など経営陣の人事を議論する「指名委員会」を設置する企業が急増している。指名委を導入した上場企業は17日時点で475社と、2014年の約4倍になった。企業統治がより重要になり、経営陣の人事についても透明性を向上させたいとの意識が強まっているためだ。新しい制度が急速に普及するなかで一部では混乱も生じており、スムーズな運用のための工夫が問われている。
東京証券取引所のデータによると指名委を設ける上場企業は過去数年間、110~120社前後で推移してきた。だが、16年6月に企業統治の強化を求める「企業統治指針」が導入されたことで流れが変わり、指名委を取り入れる企業が急増した。
(日本経済新聞 5月18日)
いまのところ設置された指名委員会の大半が「任意の指名委員会」で、権限に法的な拘束力をもたず、構成員の要件がなく、開示義務も課せられていない。法的な拘束力をもつ指名委員会等設置会社へのステップなのだろうが、指名委員会の構成員の過半を社外取締役が占めなければならなくなる。
セブン&アイの社長人事をめぐって社外取締役の役割が評価されたが、これはレアケースだろう。同社の場合、創業家と大株主の外資ファンドという2者のプレーヤーが社外取締役側についたことで流れが決まったと報道されている。パワーゲームだったのだ。社外取締役の力量だけでは、鈴木敏文氏の威光に抗えなかったのではないか。
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