2016/05/17
三菱自動車が、主力工場の水島製作所(岡山県倉敷市)で軽自動車の生産を担当する従業員約1300人の賃金カットについて、労働組合側と交渉していることが1日、分かった。三菱自は燃費データ不正問題を受け、4月20日午後から軽の生産ラインを止め、約1300人の従業員を自宅待機としている。日本の自動車メーカーがこうした形で賃金カットに踏み込むのは異例だ。
賃金のカット幅は交渉中。軽の生産再開のめどは立っておらず、生産停止は数カ月は続く見込みだ。
(時事通信 5月1日)
業績悪化の原因が常習犯ともいえる不祥事であるだけに、賃金カットの対象となった水島製作所の約1300人にとっては、理不尽極まりない申し出だろう。かりに取締役全員と部長級の大幅賃金カットを行なうという前提が示されたところで、賃下げ率にもよるが、呑める申し出ではあるまい。
三菱自動車の問題処理は、三菱グループ主要各社、国土交通省、経済産業省などがそれぞれの思惑にもとづいて水面下で丁々発止を展開してゆくのだろうが、身売り案が浮上すれば、自動車業界を巻き込んだ再編劇に発展する。
スリーダイヤのメンツの前に、末端労働者はコスト削減の対象でしかないのだろう。シャープや東芝と同様に、有能な社員が続々と流出してゆくに違いない。
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