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シャープ、3000人規模の人員削減を検討

経営再建中のシャープが、国内従業員の約15%に当たる最大3000人規模の人員を削減する検討に入った。

不振の太陽光事業や本社の管理部門などが対象となる見通しで、今夏にも発表する再建計画に盛り込む。シャープは業績悪化に歯止めがかからず、固定費の削減が急務で、早ければ年度内にも実施する。

シャープは経営危機が表面化して以降、人件費を圧縮するため、2度の大規模なリストラに踏み切った。いずれも希望退職を募り、2012年度は約3000人、15年度には約3200人が退職した。

現在も業績は厳しさを増しており、16年3月期連結決算は、税引き後利益が3000億円規模の赤字となる見通しで、一時的に債務超過となる公算が大きい。
(読売新聞 5月10日)

シャープは4月29日に、株式を活用した報酬制度の導入で人材の流出を防ぐことを発表したが、もはやそれどころではないだろう。最大3000人の人員削減の検討も、これをもって人員削減の終了ではなく、次の人員削減へのステップかもしれない。

そもそも、この期に及んで株式を活用した報酬制度を導入したところで、どれだけ優秀な人材が魅力を感じて、再建に賭けるのだろうか。債務超過に向いかねない状況で、社員をカネで釣ろうとしても説得力をもつまい。

シャープに限らず、大規模な人員削減が実施された場合、頼りにされるのは人材紹介会社である。まして現在は人手不足だ。求職者にとっても、求人企業にとっても、人材紹介会社は頼みの綱である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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