2016/04/25
セブン&アイ・ホールディングスは19日の取締役会で中核子会社セブン―イレブン・ジャパンの社長を務める井阪隆一取締役(58)が社長に昇格する人事案を決議した。鈴木敏文会長(83)はグループの全役職を退任する。人事を巡る混乱は収束し、5月26日の株主総会での承認を経て、新しい経営体制が発足する。
井阪氏の昇格に伴い、村田紀敏社長(72)も退任する。鈴木、村田両氏を除くセブン&アイの取締役は全員留任し、後藤克弘取締役(62)は副社長に昇格する。鈴木氏には「最高顧問」など名誉職を用意する方向で調整していた。社外取締役が「影響力が残る」と難色を示したため、セブン&アイは「名誉職は19日の取締役会の決議事項ではなく、決まっていない。5月26日の株主総会までに調整して発表する」としている。
(日本経済新聞 4月20日)
肩書きに「最高顧問」という言葉の付いた名刺を受け取るたびに、この人は自分を「最高」と自認しているのかと違和感を禁じ得ない。かりに自認していても名刺への印刷は避けるのが健全な羞恥心だが、そうでない人も多い。権限を次世代に移譲してもなお影響力を行使したいという欲求の拠り所が「最高顧問」という名誉職なのだ。
院政排除に向けて、ガバナンスコードで名誉職の廃止を講じたほうがい。退職功労金などで長年の功績を報われた後は、名誉職に就かずに、会社からきれいに離れたほうが健全だ。会社にとっても忖度の対象が外れて望ましい。
セブン&アイで鈴木氏を最高顧問に就任させる案は、鈴木氏を残留させることで加盟店の求心力低下を回避する措置だろうが、鈴木氏は名誉職など拒絶したいのではないだろうか。
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