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セブン&アイ村田社長が退任へ

セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長兼最高執行責任者(COO、72)が退任する見通しとなったことが12日、分かった。辞任表明した鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO、83)とともに人事を巡る混乱の責任を取る。

新体制では会長は置かず空席とする方向だ。CEOやCOOといった役職の廃止も検討している。取締役会は一気に若返るとみられるが、「鈴木・村田体制」をしのぐ経営基盤の確立には時間が必要で、集団指導体制で難局を乗り切る戦略となりそうだ。
(中略)
 
セブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼COO(58)退任案に賛成した他の取締役は残留の方向で調整している。
(毎日新聞 4月13日)

過去の成功体験を否定することを公言しつづけた鈴木氏にとっては、好業績を継続する井坂氏も否定の対象になったが、こればかりは賛同を得られなかった。
井坂氏の退任案に賛成した他の取締役は、退任案が否決されれば身を退く覚悟で賛成したのだろう。これは人としてのケジメである。残留を求められても、自分が退任案に賛成した社長の下でマトモに働けるとは思えない。

事の真相が何であれ、人事の流れは、好業績がつづくなかで退任案が否決された井坂氏を押し上げた。セブン&アイの役員人事も井坂氏を中心に編成されるようだ。それにしても井坂氏の退任案をめぐって賛否が分かれたことは、おもしろおかしく報道されているが、内紛というほどの事態ではないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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