2016/04/13
今年度の給与などを決める春闘で、中小企業の賃上げ額が大企業を初めて上回った。働く世代が減る中、中小企業が人材を確保するには給与を上げざるを得ないと判断したとみられている。
自動車や電機などの労働組合で構成する金属労協によると、3月31日時点で、労使の交渉が終わっている企業の賃上げ額の平均は、1000人以上の企業では1122円、300人以上999人以下の中堅企業は1128円、299人以下の中小企業は1281円だった。
規模が小さい企業ほど、賃上げ額が大きい結果となったが、この傾向は、1995年に金属労協が規模別の集計を始めて以降、初めてだという。
(日本テレビ系 4月4日)
中小企業も賃上げに踏み切らざるをえないが、規模が小さい企業ほど賃上げ額が大きいというのは、いささか心配だ。2年前の再来にならないだろうか。
2年前、安倍晋三首相の掛け声で実施された経済界を挙げてのベースアップで、中小企業には人件費倒産が続いたのである。本来なら賞与で調整したほうがよいのだが、働く側にとっては基本給が大事なのだ。
採用を控えれば人不足倒産、給与を増やせば人件費倒産。こうしたリスクをかいくぐって、多くの中小企業はしたたかに生き延びてゆく。
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