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法務省、出所者を人手不足事業に仲介

法務省は刑期が終わった出所者がすぐに働けるよう、4月に人手不足の企業に仲介する拠点を立ち上げる。全国の出所予定者について、保有する資格などの情報を希望する企業に紹介する。特に人手不足が深刻な建設、介護分野の技術訓練に力を入れている。法務省にも出所後すぐに働ける環境を整えることで、懸念される再犯を防ぐ効果もねらう。

拠点は「就労支援情報センター」で、東日本と西日本に各1カ所置く。法務省の職員をそれぞれ3人ずつ配置して4月からシステムをつくり、秋以降に仲介を本格化する。
(日本経済新聞 3月22日)

この記事によると、2014年の出所者は刑務所から約2万5000人、少年院からは約3000人。人手不足解消に目途の立たない建設業界と介護業界にとって、これだけの人数が採用候補者層に加わることは朗報になるかもしれない。しかも、求人広告費など採用コストも発生しない。

一方、介護施設については、再犯を防ぐための教育効果も期待できる。介護施設は人間の尊厳を学ぶ場でもあり、たとえば義務教育に、介護施設での就労を組み込んでもいいぎらいだ。
介護施設は厚生労働省の管轄下に置かれているが、法務省が関与することに縦割り行政のハードルが起動しては、いつまで経っても人手不足解消の目途は立たない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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