2016/03/11
トヨタ自動車は2日、社内カンパニー制を4月に導入すると発表した。「小型車」「高級車」など車のタイプに基づくカンパニーを設け、各カンパニーのトップが製品企画から生産まで責任を負う。意思決定のスピードを速めながら次世代の経営者を育てる狙い。プレジデント(社長)を「量産」しポスト1000万台時代の持続的成長につなげる。
4月18日付の組織改正で「製品企画」や「車両系生産技術・製造」など機能別の本部を解消し、小型車、乗用車、CV(商用車・ミニバン)の3カンパニーに再編する。レクサスは既に移行しており、トヨタの全車両の企画から生産までを4カンパニーが担当する。
(日本経済新聞 3月3日)
20年ぐらい前、中古車のガリバーが「ドルフィネット」というネット場の共有倉庫を開発し、勢いよく店舗数を増やしていた。その当時、トヨタ勝又グループを率いていた千葉トヨペット社長の勝又基夫氏を取材した。
勝又氏はドルフィネットの仕組みを高く評価して、自動車流通市場にとって台風の目になる可能性を示唆した。そこで「トヨタの社員なら、このようなシステムをいつでも開発できたでしょう?」と尋ねたら、意外な答えが返ってきたのだ。
「トヨタには優秀な社員ならたくさんいるよ。だけど、優秀な社員はガリバーのようなビジネスを思いつかないんだよ。あの発想は、大企業にはなかなかできないな」。
しかし時代が変わり、大手企業にもベンチャー起業家を彷彿とさせる社員の存在は珍しくなくなった。トヨタ自動車の社内カンパニー制が奏功して、社長が量産されたら、トヨタ方式として経営学のテーマにもなる。これだけ強い会社だと、一挙手一投足に真意を見出したくなってしまうものだ。
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