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虚偽記載の「ブラック求人」が3割増――厚労省調べ

ここ数年目立つのが、「ブラック求人」の被害だ。うそやあいまいな表現で実際と違う好条件を示して入社させようとする。厚生労働省によると、2014年度、求人の記載内容についてハローワークに寄せられた苦情などは1万2千件。前年度より3割増で、実際の賃金などが違うといった苦情が多いという。

若者の雇用問題に取り組むNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表は「この1、2年で『求人詐欺』が増えた。ブラック企業とまではいえない普通の企業でもでたらめを書くのが特徴。入社後に気づいても我慢するケースが多い。表に出ているのは氷山の一角だ」と話す。特に「固定残業代」をめぐる相談が増加。
例えば「月額20万円」の場合、基本給15万円と営業手当5万円が払われたが、時間に見あった残業代が支払われない。
ほかにも、週休2日なのに休みがほとんどない▽社会保険完備なのに加入できない▽そもそも仕事内容が違う――といったケースがある。
(朝日新聞デジタル)

求人内容の虚偽記載は昔から珍しくない。偽装書類として法的に断罪されない限り、この問題はいつまでもつづく。入社してから虚偽記載だったことがわかっても、どうにもならない。試用期間内に会社側に指摘することは、解雇を覚悟しなければならないのだ。

かりに「法定求人票」を作って、各項目に恣意的な解釈で記載できないように計らっても、虚偽記載のオンパレードは止まらないだろう。
社会保険労務士に記載内容を精査したもらい、事実であることを担保する証明マークでも付けるしかないのか。しかし虚偽が発覚したら、社労士の信用が失墜するので、引き受けてくれるかどうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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