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3メガバンク労組、ベア要求見送りへ

三菱東京UFJ銀行の労働組合は、今年の春闘で、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の要求を見送る執行部案を固めた。
29日に正式決定する。既に、三井住友銀行とみずほフィナンシャルグループの労組もベア要求を見送る方針を示しており、3メガバンクの労組すべてが要求を見送ることになった。
日本銀行によるマイナス金利政策の影響で収益環境の悪化が見込まれることなどを考慮したとみられる。

3メガバンクは2014年、19年ぶりにベアを実施し、15年もベアを行った。
(読売新聞 2月29日)

マイナス金利で銀行の収益悪化が懸念されているが、銀行業の本筋は、国債の利回りで利益を稼ぐことではない。リスクを取って実行する融資で稼ぐことである。リスクがなければリターンもないのが原則だ。

しかし、これは外野席の見方のようで、銀行員の意見は正反対である。都内にあるメガバンク支店長は言う。
「中小企業に積極的に融資して経営を支援すべきだというのは、お説ごもっともです。理屈はそうです。でも、お客様から預かったお金をリスクにさらすわけにはいきません」。

そうであれば、投資信託などリスク商品の電話セールスも慎んでほしいと思うが、営業ノルマを課せられて、そうもいかないのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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