2016/02/16
来春卒業の学生に対する企業の採用広報活動が3月からスタートする。これに先駆けて、大学教授や弁護士などで構成する「ブラック企業対策プロジェクト」が2月9日、厚生労働省に対して「求人情報の表示」に関する申し入れをおこなった。
同プロジェクトは、「募集段階から固定残業代について求人票で明示すること」を事業主に呼びかけるよう、厚労省に求めている。また、離職者数や有給休暇の平均取得日数といった幅広い職場情報を、事業主が積極的に公開することを期待している。
ブラック企業対策プロジェクトのメンバーたちは、厚労省への申し入れ後、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブで会見を開いた。若者の雇用に詳しい上西充子・法政大学教授は、現状の求人票には「初任給●円」などとだけ書かれていて、詳細は明記されていない場合が多いと指摘した。
(弁護士ドットコム 2月9日)
ブラック企業問題はイタチゴッコがつづくのではないか。労務知識に乏しいがゆえのブラック企業なら改善を期待できるが、多くは巧妙に立ち回ろうと腐心している印象だ。経営者は会社と従業員は利益相反関係になると思い込んでいるのか、あるいは従業員を弱者として弄ぶ人間の業のようなものが蠢いて、抑制できなくなったのか。
ブラック問題は経営者の処世観が改まらない限り、解消されることはないだろうが、ひとたび形成された処世観は、社会的な糾弾を浴びるなどよほどの出来事に遭遇しても改まるものではない。倒産しても改まらないかもしれない。それほどに重いのである。
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