2016/02/04
経団連と連合の幹部らが春闘に臨む姿勢を示す経団連主催の「労使フォーラム」が25日開かれ、2016年春闘が事実上スタートした。
経団連の榊原定征会長は会員企業に、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に限らず、ボーナスや各種手当を含む年収全体で賃上げを検討するよう要請した。連合の神津里季生会長は「違和感を覚える」とベア重視を訴え、早くも火花が飛び交った。春闘は3月中旬の集中回答に向け労使交渉が本格化する。
デフレ脱却を目指す安倍政権の要請を受け、労使双方が賃上げに取り組む春闘は今年で3年目。榊原会長は「企業は積極果敢な経営の推進を通じ収益を拡大し、賃上げへとつなげるよう最大限の努力をお願いしたい」と呼び掛けた。
ただ、14年と15年のベアの積み上げで、人件費の増大が重荷になりつつある企業もある。
(時事通信 1月25日)
賃上げラッシュのなかで、取り残された印象が拭えないのが介護業界だ。昨年の介護報酬改定で処遇改善加算が新設されたが、適用されるのは介護職のみで、金額は月1万2000円。
ある社会福祉法人の理事長は「月1万2000円では採用効果につながりません。介護職の月収は産業界平均よりも10万円も低いのですから、月5万円以上は引き上げないと就職先に選んでもらえない状況がつづくでしょう」と指摘する。
たしかにその通りだが、財源をどうするのか。現状では、制度ビジネスという位置づけからか、財源を介護報酬や交付金など公費に求めるのが慣行となっている。保険外の事業に取り組んで収益を上げ、それを人件費に充当するという発想も必要だろう。
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