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【ブラックバイト】労働審判前に200万円和解

アルバイト代を未払いの上、店の赤字を穴埋めさせたとして、仙台市太白区の20代の男子大学生が同市青葉区国分町のダイニングバーの30代の男性経営者に対し、約210万円の支払いを求めて労働審判を申し立てた問題は、経営者が200万円の解決金を支払うことなどで18日までに和解が成立した。大学生側の代理人が明らかにした。
学業に支障が出るほど過酷な労働を強いる「ブラックバイト」問題で、学生が労働審判を申し立てたのは全国で初めてとみられ、仙台地裁で近く第1回の労働審判を控えていた。和解を受け、大学生は18日、申し立てを取り下げた。
(中略)
 申し立てによると、男子大学生は2014年4月、週3日働く内容でアルバイト契約を結んだ。同年8月以降、ほぼ毎日出勤を求められ、登校できなくなった。賃金の未払い額は約120万円に上り、赤字補填(ほてん)名目で約10万円を支払わされるなどした。

(河北新報  1月19日)

法令を遵守していては利益が出ないし、事業も継続できないと考える経営者はゴマンといる。スキーバス事故を引き起こした旅行会社とバス運行会社も、法定金額を下回る料金で取引していたそうだから、法令遵守は後回しと考えたのだろう。
たしかに法令遵守と収益確保が両立しない一面もないではないが、当然、優先すべきは法令遵守である。法令を違反しない限り収益を確保できないのなら、その事業から撤退する以外にあるまい。

ブラックバイト問題でいえば、労働基準法を遵守できないのなら、合法的にアルバイトを雇えるようになるまで現有戦力でふんばるしかない。それが無理で違法行為に走らざるをないのなら店舗を閉鎖することだが、(発覚しなければよい)と割り切る経営者が減ることはありえまい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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