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中小企業の平均賃金 37万4000円―東京都調査

東京都がまとめた2015年の中小企業の賃金事情調査によると、所定時間内と所定外を合わせた1ヶ月の平均賃金は37万4930円(7月時点)だった。前年比1.7%減だが、過去10年では前年に続き2番目に高い水準。人手不足を反映して中小では初任給が上昇傾向にある。

調査は15年7月、従業員10~299人の都内企業3500社を対象に実施。919社から有効回答を得た。
内訳をみると、所定内が34万6678円、所定外が3万2752円だった。産業別では金融・保険業や情報通信業が高く、宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス・娯楽業で低かった。

(日本経済新聞 1月15日)

大手企業の賃金が上がると、中小企業も賃上げに踏み切らざるをえず、経営を逼迫させかねない。さらに、賃上げブームについていけない介護事業者などは、ますます賃金格差をつけられ、採用面接に応募してきた人は、よほど外れていない限り採用してしまう例も少なくないという。
2年前になるが、ある中小広告代理店の男性社員(30歳)が、子供が生まれたことをキッカケに退職した。妻から「いまの給料では子育てができないので、最低でも年収400万円以上の会社に転職してほしい」と迫られたのだという。
彼は年収470万円でIT企業に転職できたので一件落着したようだが、あまり給料が低いと、生計維持のために男性社員が寿退職するという倒錯した現象が起きるのだ。それでも無い袖は振れないとなれば、現行の賃金で生活してゆける社員でまかなう以外にない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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