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「介護離職ゼロ」に向けた法整備が動き出す

「介護離職ゼロ」に向けた法整備が動き出した。労働政策審議会がこのほど、育児・介護休業法などを改正する法律案要綱を了承した。政府は近く、介護休業の分割取得などを柱にした改正法案を国会に提出する。
介護のために離職する人は年間約10万人いる。働き盛りの社員が両立を断念すれば、企業にとっても損失だろう。これを機に企業は、働き方の見直しを進めてほしい。国や自治体は介護サービスの整備を急ぐ必要がある。

現行の育介法では、介護が必要な家族1人につき介護休業は原則1回しか取れない。法律案要綱によると、合計93日の範囲で3回休めるようにする。短時間勤務などができる期間の延長、残業免除制度も盛り込んだ。

(日本経済新聞 1月18日)

介護離職ゼロは象徴的な表現で、現実にはありえないが、政府は緊急対策として公費1382億円を確保した。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護など在宅・施設サービス12万人分を前倒して整備する方針だ。国土交通省はサービス付き高齢者向け住宅2万人分を整備するという。

介護人材の確保も課題だが、介護事業所では、介護スタッフが介護離職を迫られるという逼迫した状況にある。同じくケアする側では、病院勤務の看護師にも介護離職が増えている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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