2016/01/25
15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故で、バス運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)が、従業員に残業させる際に労働基準法に基づいて従業員代表らと締結しなければならない労使協定を締結していなかったことが東京労働局などの調べで明らかになった。協定が結ばれていない場合、1日8時間など労働時間規制を超える労働は違法残業になる。同局はイ社の労務管理や残業の実態について詳しく調べる。
労働基準法は1日8時間▽週40時間▽週1回の休日--など労働時間の原則を定めている。更に、この規制を超えて労働させる場合、労働者代表と労使協定を結ぶことで、労働時間の延長や休日の労働をさせることができると規定している。
(毎日新聞 1月19日)
イーエスピーにとって、労働基準法は守るかどうかでなく、違法が発覚するかどうかが重要なのだろう。かりに事故が発生しなければ、指摘されている違法行為は発覚しなかった。とうに合法か違法かを識別する感覚は麻痺しているはずだから、事故が起きなければ暴走をつづけることになったのだろう。
守るかどうかでなく、発覚するかどうか。この感覚は、壱番屋が廃棄したビーフカツが横流しされた事件にも投影されている。スーパーの店頭で販売されていなければ、当面、発覚しなかったのではないか。
関係した事業者に法令遵守を求めることは夢物語である。いわば人種が違うのだ。こうした現状をみれば、企業の分類に「法令遵守系」「法令違反系」という項目が適用できるかもしれない。
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