2016/01/19
「仕事柄、当社には不摂生な社員が大勢いる。夜遅くに店舗での仕事を終えてから酒を飲みに行ったり、ラーメンを食べたりと。腹がパンパンに出ている人も決して珍しくない……」
こう打ち明けるのは、牛丼チェーン「吉野家」や讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」などを展開する吉野家ホールディングス グループ管理本部の大前雅英執行役員だ。
(中略)
そうした課題認識の下、同社は2015年5月に社員の健康を推進する「ウェルネス経営」と、それを統括するCWO(最高健康責任者)制度の導入を発表し、すぐさま改善活動に着手した。
まずは、各事業会社で部長以上の役職者のうち、健康診断で「肥満度」が所見ありという36人を対象にヘルスケア施策を実施。ダイエットサービスなどを手掛けるFiNCの食事指導アプリを8月21日~10月19日までの2カ月間、対象者に利用してもらった。
(中略)
ホールディングスの河村泰貴社長は、将来的には不健康な社員は部長以上に昇進しないという方針を打ち出すとか。同社の健康に対するストイックなまでの取り組みは、ますます熱を帯びていきそうだ。
(ITmedia ビジネスオンライン 1月8日)
10年近く前、メニュー開発の研究会で、ある外食チェーンのスーパーバイザー(SV)が自嘲気味に話していたことを思い出す。「この仕事、脂肪肝は職業病ですよ。店舗で味のチェックを毎日やってますから、脂肪の摂取量も相当なものでしょうね。」
実際、そのとおりなのだろうが、このチェーンも、いまは社員の健康対策を強化し、とくにSVや調理担当者には産業医や保健師などが重点的に指導しているかもしれない。そうあってほしいものだ。
この1月下旬には経済産業省と東京証券取引所が選定する「健康企業」が発表される予定だ。社員の健康と業績の因果関係の解明は、経年比較をともなうため時間がかかりそうだが、かりに因果関係が見出されなくとも、健康対策は時代の要請である。
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