2015/12/09
東芝は、不正会計問題や業績不振の責任を明確にするため、室町正志社長をはじめ執行役33人全員の賞与に相当する報酬について、今年度は支給しないことを決めた。
東芝の執行役の報酬は、基本報酬と職務報酬に分かれている。職務報酬のうち4割程度が一般社員の賞与に相当し、担当部門などの業績に連動して支給額が変わる仕組み。今まではこの業績連動部分だけで約1千万円を受け取る執行役もいたが、今年度はゼロにすることを社外取締役でつくる委員会が決めた。詳しい支給額は公表していない。
職務報酬は例年、夏に1年分の額を一括して決めている。しかし、今年度は不正会計問題で支給するかどうか判断を先送りしていた。一方、月ごとに支給される基本報酬は9~2割の減額を続けている。また、4日に支給される予定の一般社員の冬の賞与も大幅に減額される。
(朝日新聞デジタル 12月3日)
これは当然の措置である。賞与が不支給になったところで、基本報酬は支給されるのだから御の字。不正に関わっていない部門の執行役にとっては、とんだトバッチリを受けたことになるが、執行役に就任した以上はやむをえない。
腹の虫が治まらないのは一般社員だろう。社員株主であっても、一般株主のように訴訟を起こすわけにはいかず、減給措置に対して忍従を強いられるだけだ。
再建がもたつくようだと、再就職先に見つかりやすい若手社員のなかには、退職者が相次ぐだろうし、人材の草刈場になるかもしれない。
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