2015/11/29
社員の心の健康状態を年に1度調べる「ストレスチェック」が12月から義務付けられるのを受けて、企業が対策に乗り出している。大和証券グループ本社は心の健康管理に取り組む社員にポイントを付与し、給与に反映させる。従業員の心の不調を原因とする経済的損失は年間2兆7千億円に上るとの試算もあり、医師面接など早期に対策が打てる体制を構築する。
12月1日施行の改正労働安全衛生法で、医師などによるチェックが義務化される。従業員50人以上を対象とし、来年11月末までに最低1回実施する必要がある。
(日本経済新聞 11月22日)
東京証券取引所が健康経営銘柄を認定し、キーワードになるまでには至っていないが、健康経営への関心はにわかに高まっている。健康保険組合が負担する社員の医療費削減もさることながら、労働生産性を向上させるには、社員が健康でなければならないと考えるようになったのだ。
これまでは、健康管理は自己管理で、体調を崩すのは自己管理能力の欠如と割り切る企業も珍しくなかったが、そんな暴論は通用しなくなった。健康経営銘柄の認定は採用効果にもつながっているので、健康対策に取り組まない企業は、人手不足に悩まされつづけるに違いない。
だが、そもそも社員がなぜ健康を害するのか。たしかに生活習慣にも由来するだろうが、それよりも労働時間と成果目標が過剰な負荷となって、健康に響いているのだ。健康対策セミナーやイベントにコストを投じるよりも、労働時間と成果目標を見直したほうが現実的だろう。
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