2015/11/26
経営再建中のシャープは、全従業員を対象に、自社製品の購入を呼びかけるシャープ製品愛用運動を20日から始める。
取締役や執行役員は20万円、管理職は10万円、一般社員は5万円と役職に応じて目標金額を設定し、売り上げ増を目指す。同様の取り組みは、経営危機に陥った旧三洋電機が2004~05年に実施した例があるぐらいで、異例のことだ。「特別社員販売セール」として、来年1月29日まで実施する。セール専用のサイトから申し込む仕組みで、社員には購入額の2%分を奨励金として支払う。購入状況を会社側が把握できるため、目標金額は、事実上の「ノルマ」と受け止められている。
シャープは、家電部門を担当する長谷川祥典専務執行役員名で文書を配布し、「厳しい難局を乗り切れるよう協力してほしい」と呼びかけている。
(読売新聞 11月18日)
これはもう購入を強要されたようなものだ。忠誠心を試すことが目的だろうが、社員は踏み絵を踏まされる心境になる。
自社製品の購入呼びかけは、社員から金を巻き上げることと同じである。多少の売り上げが上がっても、商品力や販売力とは無縁の結果で、モヤモヤ感が残るだけではないのか。
落ちたとはいえ、シャープは社会音痴の新興企業であるまい。このような嫌らしい手段を取らずに、取締役と執行役員は20万円、管理職は10万円、一般社員は5万円と給与をカットすればよい。
そもそも、自社製品の購入意欲と社員の働きに因果関係などない。日本たばこ産業に禁煙社員は珍しくないし、酒を呑まない飲食店経営者もいる。
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