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仙台のバー、学生アルバイトを7カ月間無給で働かせる

無給で7カ月間働かされ、赤字の穴埋めも求められたとして、仙台市のバーでアルバイトをしていた20代の男子大学生が18日、未払い賃金など計約210万円の支払いを男性経営者に求める労働審判を仙台地裁に申し立てた。
代理人の太田伸二弁護士は「労働法の知識の乏しさにつけ込んだ『ブラックバイト』の典型」と指摘した。ブラックバイトに関する労働審判申し立ては異例という。

申立書によると、学生は昨年4月から同市青葉区国分町のダイニングバーで、時給750円の契約で1日9時間、週3回勤務していた。スタッフは経営者と学生の2人だった。
経営者から同9月、「賃金は歩合給にする」と通告され、8月分から賃金が支払われず、赤字の穴埋めも要求されるようになった。今年2月に退職したが、穴埋め名目の要求額は196万円に上り、うち10万円を支払ったという。
(毎日新聞 11月18日)

雇用主が学生アルバイトを雇うのは、たんに安上がりですむからで、雇用主とバイトの関係はあくまで利益相反である。その関係が突き進むと賃金未払いとなり、さらに進むと今度はバイトから利益を得ようと、損失補てんなどを強要するようになる。

コンプライアンス意識の欠如とかモラルの喪失などと批判しても、そもそも判断の土俵が違うのだから、この手合いはどうにもならない。法律や道徳の外側で生きているのだ。
裁判で支払い命令が下されても、支払いを履行するかどうか。それにしても、この記事にある経営者は穴埋め名目で196万円を要求したというが、学生バイトに要求するとは、いかにも寂しい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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